車を降りた瞬間、ふわりと鼻をくすぐる潮の香り。
目の前に広がるのは、穏やかな鳴門の海と、その先に堂々と架かる大鳴門橋でした。
今回、私たちが家族旅行の舞台に選んだのは、徳島県鳴門市にある**「鳴門海月別亭 シーサイドホテル鯛丸海月」**です。
正直にお話しすると、予約時は「美術館に近いから」という利便性を最優先していました。しかし、実際にロビーに足を踏み入れ、スタッフの方の温かい笑顔と窓一面のオーシャンビューに出会った瞬間、その考えが良い意味で裏切られる予感がしました。「ここは単なる拠点ではない、滞在そのものが旅の目的になる宿だ」と。
小さな子供を連れての旅行は、いつも少しの緊張感を伴います。けれど、ここにはそんな親の肩の荷をふっと下ろしてくれるような、優しくのどかな空気が流れていました。今回は、この宿で過ごした感動の宿泊記をお届けします。
【客室】子連れに嬉しい広々和室と、窓から望む鳴門の絶景
チェックインを済ませて通されたのは、広々とした和室。
ドアを開けた瞬間、畳のいぐさの香りに癒やされます。最近はベッドのホテルも多いですが、やはり子連れには和室が一番。ハイハイやあんよをする子供がどこで転んでも安心ですし、夜もベッドから落ちる心配をせず、家族みんなで川の字になって眠れるのは何よりの贅沢です。
今回の部屋は海に対して斜めに位置していましたが、窓に近づくと、その眺望に思わず息を呑みました。
視界に飛び込んでくるのは、キラキラと輝く海面と大鳴門橋のコントラスト。「うわぁ、お船が見えるよ!」と子供も窓に張り付いて大興奮です。
部屋にはすでに布団が敷かれており、到着してすぐにゴロンと横になれる配慮も嬉しかったポイント。旅の疲れを畳の上で癒やしつつ、窓の外を行き交う船を眺める時間は、日常を忘れさせてくれる至福のひとときでした。
【施設・温泉】大塚国際美術館へ徒歩圏内!朝日が照らす大浴場
この宿の最大の強みの一つ、それは圧倒的な立地の良さです。
世界の名画を陶板で再現した**「大塚国際美術館」**までは、なんと徒歩5分ほど。千鳥ヶ浜のバス停も目の前です。
子連れ旅行では「移動のストレス」をいかに減らすかが鍵ですが、チェックイン前後に車を置かせてもらい、歩いて美術館へ行けるのは本当に助かりました。遊び疲れたらすぐ宿に戻れる安心感は、何物にも代えがたい価値があります。
そして、旅の疲れを癒やすお風呂。
こちらは温泉ではありませんが、それを補って余りある魅力がありました。それは、大浴場からの眺めです。
特に感動したのは翌朝。海側の浴場から見た、水平線から昇る朝日。オレンジ色に染まっていく空と海、そして大鳴門橋のシルエットは、言葉を失うほどの美しさでした。
「温泉ではない」というスペック情報だけで判断せず、この景色を見るためだけに入浴する価値があると断言できます。洗い場も清潔で、子供と一緒にゆっくりと海の景色を楽しむことができました。
【食事】豪華舟盛り&バイキング!鳴門グランドホテルでの夕食体験
さて、いよいよお待ちかねの夕食です。
今回は「【伊勢海老・アワビ・鯛の姿造り付】鳴門グランドで味わう!阿波の幸プレミアムバイキング別注料理付プラン」を利用しました。
夕食会場は、送迎バスですぐの姉妹館「鳴門グランドホテル海月」へ。
会場に入ると、目に飛び込んでくるのは地元の食材をふんだんに使った豪華なバイキング料理の数々!ライブキッチンから漂う香ばしい匂いに、大人も子供もテンションが上がります。
そして、私たちのテーブルには「別注料理」である伊勢海老、アワビ、そして鯛の姿造りがドーンと運ばれてきました。
鳴門といえば「鯛」。激しい潮流で育った鳴門鯛の身は驚くほど引き締まっており、噛むほどに甘みが口いっぱいに広がります。コリコリとしたアワビ、プリプリの伊勢海老も含め、まさに「海の宝石箱」。
バイキングでは、好きなものを好きなだけ選べるので、偏食気味な子供も大満足。「これ美味しいね!」と笑顔で頬張る姿を見て、このプランにして本当に良かったと思いました。
また、スタッフの方々のホスピタリティも特筆ものです。記念旅行だと伝えると、サプライズでお祝いプレートを用意してくださったり、忙しい中でも笑顔で記念撮影に応じてくださったり。心もお腹も満たされる、温かいディナータイムとなりました。
翌朝の朝食は、鳴門海月別亭 シーサイドホテル鯛丸海月内のレストランで。
ここで絶対に食べていただきたいのが、名物の「鯛茶漬け」です。特製のタレに漬け込まれた鯛の切り身をご飯に乗せ、熱々の出汁をかけて…。ねっとりとした鯛の旨味が出汁に溶け出し、朝から身体中に染み渡る美味しさでした。
【総評】観光も食も諦めない。家族の思い出を作るならこの宿
一泊二日の滞在を終え、チェックアウトする頃には、家族全員がこの宿のファンになっていました。
**「鳴門海月別亭 シーサイドホテル鯛丸海月」**は、最新鋭の高級ホテルというわけではありません。しかし、掃除の行き届いた清潔な館内、子連れにも優しい温かいスタッフの対応、そして鳴門の海と食を存分に楽しめる環境は、スペック以上の満足感を与えてくれます。
特に、大塚国際美術館や渦潮観光をメインに考えている方にとっては、これ以上ない最高の拠点となるでしょう。
「便利な立地がいいけれど、食事や景色にも妥協したくない」
そんな欲張りな願いを叶えてくれるこの宿で、ぜひ大切な家族との休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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