香川県琴平町にある創業400年の老舗旅館・琴平花壇に宿泊してきました。森鴎外や与謝野晶子などの文人墨客が愛したこの宿は、歴史ある数寄屋造りの離れと美人の湯として名高いこんぴら温泉、瀬戸内の旬を活かした会席料理が魅力です。この記事では、実際に泊まって感じた琴平花壇の魅力を、客室・温泉・食事・サービスの観点から詳しくレポートします。シニア層や大人旅を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
琴平花壇に宿泊した理由と第一印象
金刀比羅宮の参拝を計画していた際、せっかくなら歴史と格式のある宿に泊まりたいと考えていました。そこで出会ったのが、寛永4年(1627年)創業という琴平花壇です。400年近い歴史を持ち、往年の文豪たちが足を運んだという事実に心惹かれ、予約を決めました。
JR琴平駅から無料送迎バスで約5分。山の斜面に広がる約1000坪の敷地に到着すると、まず目に飛び込んできたのは手入れの行き届いた日本庭園です。玄関では丁寧な言葉遣いのスタッフが出迎えてくださり、「お疲れさまでございました」という一言に、長旅の疲れがふっと和らぎました。
ロビーに案内されると、大きな窓から讃岐富士と琴平の街並みが一望できます。ウェルカムドリンクをいただきながら眺める景色は、まさに絶景。この瞬間、「ここを選んで正解だった」と確信しました。
琴平花壇の客室レビュー|部屋の広さ・眺望・アメニティ
今回宿泊したのは、富士見台の露天風呂付き和洋室です。部屋に案内されるまでの廊下にも、歴史を感じさせる調度品や書画が飾られており、まるで美術館を歩いているかのようでした。
部屋に入った瞬間の感動ポイント
扉を開けると、およそ60平米の広々とした空間が広がっていました。和室10畳に加えて、ツインベッドが配置された洋室、そして専用の露天風呂。「これだけの広さがあれば、ゆったりと寛げる」と妻も喜んでいました。
部屋の造りには古さを感じる部分もありますが、それが逆に趣となっています。清掃は隅々まで行き届いており、清潔感に不安を感じることは一切ありませんでした。畳の香りと木の温もりが心地よく、まるで我が家のようにリラックスできる空間です。
窓からの景色と客室の設備
窓を開けると、讃岐富士の美しい稜線が目に入ります。眼下には琴平の門前町が広がり、朝には山間から昇る朝日を眺めることができました。夜は街の灯りが瞬き、静寂の中で過ごす時間は格別です。
部屋には大型テレビ、冷蔵庫、電気ケトル、金庫など、必要な設備が一通り揃っています。Wi-Fiも無料で利用でき、スムーズに接続できました。エアコンの効きも良好で、快適な室温を保てます。
アメニティの充実度とこだわり
洗面所には基本的なアメニティ(シャンプー、リンス、ボディソープ、歯ブラシセット、ドライヤーなど)が揃っています。正直なところ、アメニティの品質は一般的なビジネスホテルに近いレベルで、高級旅館としてはやや物足りなさを感じました。これが唯一の気になった点です。
ただし、浴衣とワッフルガウンが用意されており、館内の移動も快適です。バスタオルとフェイスタオルは大浴場にも備え付けられているため、手ぶらで温泉に向かえるのは嬉しい配慮でした。
琴平花壇の温泉・大浴場を徹底レポート
琴平花壇の温泉は、にっぽんの温泉100選にも選ばれた、こんぴら温泉の良質な湯を楽しめます。美人の湯とも呼ばれており、入浴後の肌のしっとり感に期待が高まりました。
泉質と温泉の効能
泉質は**単純弱放射能冷鉱泉(低張性弱アルカリ性冷鉱泉)**です。無色透明でさらりとした肌触りが特徴で、神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩などに効能があるとされています。実際に入浴してみると、湯温はちょうど良く、長時間浸かっていても疲れません。
入浴後は体がポカポカと温まり、夜もぐっすりと眠ることができました。シニア世代にとって、体に優しい泉質であることは大きな魅力です。
大浴場の雰囲気と混雑状況
温泉大浴場「吉祥の湯」は、内湯と露天風呂を備えています。内湯からは讃岐平野や阿讃山脈を一望でき、まるで空中に浮かんでいるような開放感がありました。特に北側の露天風呂(昼夜は女性風呂、朝は男性風呂)は、琴平山の竹林に囲まれた風情あるロケーションです。
夜にはライトアップされた竹林が幻想的な雰囲気を演出し、木漏れ日の向こうに広がる青空を眺めながらの入浴は、日常を忘れさせてくれる贅沢な時間でした。
混雑状況については、私たちが訪れた秋の平日は比較的空いており、ゆったりと入浴できました。タオル類が使い放題で、湯上り処にはマッサージチェアも完備されています。
貸切風呂・露天風呂の魅力
客室に備え付けられた専用露天風呂も素晴らしいです。檜の香りが漂う湯船は、二人で同時に入れるほどの広さ。源泉掛け流しで、温度調整も可能です。私たちはぬるめに設定し、読書をしながら長時間浸かる贅沢を味わいました。
目隠しがあるため景色は限られますが、プライベート空間でいつでも好きなときに温泉に入れるのは、何物にも代えがたい贅沢です。朝風呂、昼風呂、夜風呂と、滞在中に何度も利用しました。
琴平花壇の食事|夕食・朝食のクオリティ
琴平花壇の食事は、瀬戸内海の新鮮な魚介類と香川県産のブランド三畜(讃岐牛・オリーブ豚・讃岐コーチン)を使った会席料理です。今回は部屋食プランを選択しました。
夕食のハイライトと味の感想
夕食は、季節の食材を丁寧に仕上げた逸品会席です。前菜から始まり、お造り、焼き物、煮物、蒸し物、揚げ物と、約10品が順番に運ばれてきます。
特に印象に残ったのは、讃岐牛のステーキです。柔らかく、とろけるような食感で、口の中で旨味が広がります。瀬戸内の鯛のお造りも新鮮そのもので、透明感のある身はコリコリとした食感が楽しめました。
料理は温かいものは温かく、冷たいものは冷たく提供され、スタッフのタイミングも絶妙です。量はシニア夫婦にとってちょうど良く、満腹感と満足感のバランスが取れていました。味付けも上品で、素材の良さを引き立てる繊細な仕事ぶりが感じられます。
朝食の内容とおすすめポイント
朝食も部屋食でいただきました。白ご飯は香川県産のもち麦ご飯で、もちもちとした食感と豊かな風味が絶品です。焼き魚、出汁巻き卵、温泉豆腐、煮物、香の物など、和朝食の定番が並びます。
特筆すべきは、どの料理も丁寧に作られており、朝から贅沢な気分を味わえることです。朝食後には「まちで使えるうどん券」をいただけるプランもあり、讃岐うどんを楽しみたい方にはおすすめです。
食事会場の雰囲気とサービス
部屋食のため、プライベートな空間でゆっくりと食事を楽しめました。担当してくださったスタッフの方は、料理の説明を丁寧にしてくださり、会話の距離感も絶妙です。外国籍のスタッフの方も多く活躍されており、流暢な日本語と丁寧な接客に感心しました。
換気の面で、部屋食で焼肉などを提供される場合は、やや匂いが残ることがあるという口コミもあるようですが、私たちのプランではそのような問題はありませんでした。
琴平花壇のその他施設・サービス
琴平花壇には、温泉や食事以外にも魅力的な施設があります。
ガーデンラウンジは、松月テラス3階に位置し、ジャズが流れる落ち着いた空間です。ライブラリーやマッサージチェアが完備され、滞在中は自由に利用できます。コーヒーや紅茶も無料でいただけ、讃岐富士を眺めながら読書をする時間は至福でした。
また、テラスには**足湯「月見台」**があり、夜空に浮かぶ月を眺めながら足湯に浸かることができます。散策の合間に立ち寄ると、疲れた足がすっきりと癒されます。
庭園に佇む離れスパ「バンクンメイ」では、本格的なタイ古式マッサージを受けられます。プレミアムルーム宿泊者は10%オフで利用できるため、贅沢な時間を過ごしたい方にはおすすめです。
もう一つ特筆すべきは、琴平花壇専用のこんぴら参道が宿の裏口にあることです。金刀比羅宮の旧金毘羅大芝居「金丸座」のすぐ横に出られるため、参拝がスムーズに行えます。これは他の宿にはない大きな利点です。
琴平花壇の宿泊レビュー総評|こんな人におすすめ
琴平花壇での滞在は、想像以上に充実したものでした。創業400年の歴史が育んだ風格と、現代的な快適さが見事に調和しています。
総合的な満足度は5点満点中4.5点です。唯一の減点は、アメニティの品質がやや期待を下回った点ですが、それ以外はほぼ完璧でした。コストパフォーマンスについては、一泊二食付きで一人あたり3万円前後という価格帯は、歴史と格式を考えれば妥当だと感じます。
特におすすめしたい人:
シニア夫婦やミドル世代の大人旅:静かな環境で、ゆったりと過ごせる宿です。体に優しい温泉と上品な料理は、シニア層にぴったりです。
文学や歴史が好きな方:森鴎外の小説『金毘羅』の舞台となった宿で、文人墨客が愛した雰囲気を体感できます。
金刀比羅宮の参拝と合わせた旅行を計画している方:専用参道があり、観光の拠点として最適です。
再訪したいかと聞かれれば、即答で「はい」と答えます。次回は紅葉の季節か、桜が咲く春に訪れたいと考えています。庭園の四季折々の表情を楽しみたいですし、数寄屋造りの離れにも泊まってみたいです。
琴平花壇は、日常の喧騒から離れ、日本の伝統美と温泉の癒しを堪能したい大人のための宿です。ぜひ一度、足を運んでみてください。
まとめ
琴平花壇は、創業400年の歴史と格式を持ちながら、現代の快適さも兼ね備えた老舗旅館です。美人の湯として知られるこんぴら温泉、瀬戸内の旬を活かした会席料理、丁寧なサービス、そして何より静かで落ち着いた雰囲気が、大人の旅にふさわしい時間を提供してくれます。
特にシニア層や、歴史ある宿でゆったりと過ごしたい方には強くおすすめします。金刀比羅宮の参拝と合わせて、ぜひ琴平花壇での滞在を検討してみてください。きっと、心に残る旅の思い出となるはずです。
最新の宿泊プランや料金については、公式サイトや予約サイトをチェックしてみてください。
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