1泊2食付きでこの感動はなぜ?高松空港から20分、里山の静寂に包まれる 新樺川観光ホテル 

香川県
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都心からロマンスカーに揺られること約90分。日々のタスクや通知音から逃れるように私たちが向かったのは、箱根の奥座敷にひっそりと佇む「箱根 翠月(すいげつ)」です。

エントランスに足を踏み入れた瞬間、ふわりと香る白檀(びゃくだん)の香りに、張り詰めていた肩の力がスッと抜けていくのを感じました。ロビーの大きなガラス窓の向こうには、まるで絵画のように切り取られた箱根の森。

「おかえりなさいませ」

スタッフの方の柔らかく、それでいて凛とした挨拶は、初めて来た場所なのにどこか懐かしさを覚えさせます。チェックインの手続き中に出された「季節の柚子茶」の温かさが、旅の始まりを優しく告げてくれました。

鶯(うぐいす)の声に導かれ、昭和の懐かしさが残る「心の隠れ家」へ

高松空港から車を走らせること、わずか20分。 市街地の喧騒が嘘のように遠のき、窓の外には穏やかな里山の風景が広がります。

今回私が心を休めるために訪れたのは、香川県の奥座敷・塩江温泉郷に佇む**「新樺川(しんかばかわ)観光ホテル」**。

車を降りた瞬間、耳に飛び込んできたのは「ホーホケキョ」という鶯のさえずりと、さらさらと流れる川のせせらぎ。春には桜が咲き誇るというその場所は、深呼吸をするだけで体の中の澱(おり)が浄化されていくような清々しさに満ちていました。

玄関をくぐると、そこには「歓迎 〇〇様」と私の名前が書かれた看板が。 最近ではめっきり見かけなくなったこの「昭和のお出迎え」に、親戚の家に帰ってきたような温かい懐かしさがこみ上げます。建物自体はバブル期を思わせる歴史を感じるものですが、隅々まで掃除が行き届いており、古さよりも「大切に使われてきた重み」を感じさせます。

客室:川の音をBGMに。予期せぬ「おもてなし」のサプライズ

チェックイン時、フロントの方から嬉しい申し出がありました。 「本日は川側の広いお部屋をご用意できました」

なんと、予約していた山側の6畳間から、川を望む8畳の和室へグレードアップしてくださったのです。部屋に入ると、窓の外には緑豊かな自然と渓流。余計な装飾のないシンプルな和室ですが、畳に座って川音に耳を傾けていると、日々のストレスが一気に吹き飛んでいくのが分かります。

確かに、枕元にコンセントがなかったりと、最新のホテルに比べれば不便な点はあるかもしれません。しかし、ここではスマホを充電するよりも、自分自身の心を充電するべきなのだと気づかされます。

温泉:アトピーや肌荒れも包み込む、奇跡のような「美肌の湯」

この宿の真骨頂は、なんといっても「温泉」です。 大浴場へ向かうと、そこには気取らない、しかし湯量豊富な湯船が待っていました。

泉質は無色透明。一見すると普通のお湯に見えますが、体に掛けた瞬間、その違いに驚愕しました。 「肌が、喜んでいる」 そう感じるほど、お湯が柔らかいのです。

実は私、肌が弱く、合わない温泉だとすぐにかゆみが出てしまうのですが、ここのお湯は違いました。洗顔料を使わなくても肌がつるんとし、翌朝のニキビさえ落ち着いていたのです。 (以前、アトピー持ちのお子様がこの湯に入り、掻きむしることなく熟睡できたという逸話を聞いたことがありますが、それも納得の優しさです)

また、サウナはスチーム感が強く、体の芯からじっくりと汗をかけます。フロントの方に勧められた部屋のお風呂も温泉が引かれており、夜と朝、何度も湯浴みを楽しみました。高級なアメニティこそありませんが、この「お湯そのもの」が最高の美容液です。

館内散策:廊下が美術館に? 四国八十八ヶ所巡りの旅

館内は広く、フロントから西館の客室までは、階段や渡り廊下を使って少し歩く必要があります。 足腰の弱い方には少々大変かもしれませんが、私にとってこの移動時間は、予期せぬ「芸術鑑賞」のひとときとなりました。

長い渡り廊下の壁一面にずらりと並んでいるのは、門脇俊一さんによる「木版 四国八十八ヶ所霊場めぐり」。 一枚一枚からお遍路の祈りが伝わってくるような力作ばかり。お風呂上がりにこの廊下をゆっくりと歩くだけで、まるで四国中を旅したような敬虔な気持ちになれます。この文化的な豊かさは、昨今のビジネスホテルでは決して味わえない贅沢でしょう。

夕食とラウンジ:国産牛のしゃぶしゃぶと、バブルの残り香

夕食は「松会席」。 メインは、サシの美しく入った国産牛のしゃぶしゃぶです。 お湯にくぐらせたお肉を口に運ぶと、とろけるような脂の甘みが広がります。質・量ともに申し分なく、丁寧に作られた料理の数々に箸が進みました。

部屋に戻ると、すでにふかふかのお布団が敷かれていました。 「いつの間に?」と驚くと同時に、食事中にスタッフの方が整えてくれたのだと気づき、その「見えない心遣い」に胸が熱くなります。

食後は、バブル期の名残を感じさせるラウンジへ。 豪華なシャンデリア、大理石の内装、ふかふかのソファ。今どきのミニマルなデザインとは対極にある「ゴージャスな空間」ですが、素敵なママとの会話も弾み、一周回って新鮮な非日常体験となりました。

総評:不便ささえも愛おしい、人情という名の「おもてなし」

チェックアウト時、会計を待っていると、後ろから「昭和の受付か!」という冗談めいた声が聞こえてきましたが、決して悪い意味ではありません。 一人ひとりに対する丁寧すぎるほどの応対、コーヒーチケットでのテイクアウトサービス、そして何よりスタッフの皆さんの温かい笑顔。

廊下の隅や非常階段に少し古さを感じる場面もありましたが、それを補って余りある「人」の魅力と「湯」の力がここにはあります。

「最近、デジタルな毎日に疲れたな」 「誰かの温かさに触れる旅がしたいな」

そう感じているシニア世代の方、あるいは親子三世代での旅行に。 高松市内のホテルよりもリーズナブルでありながら、プライスレスな感動をくれる「新樺川観光ホテル」。ここは、便利なだけの現代社会が忘れてしまった大切なものを思い出させてくれる場所です。

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